「○○忌」と「●●会」

亡きひとを しのびつつ 

如来のみおしえに あいたてまつる

                  年回法要式『表白文』

 

 一般に葬儀のときは「忌中」、年回法事の場合は「○回忌」、

と「忌」の字を用いるが、「忌」は日本民族の極めてプリミティブな信仰、

「霊」の観念からのタブー(禁忌)を表す。

 「忌」は「いむ・いみ」であって、

「おそれる・はばかる・きらう・さける」の意。

そこにみる「つつしむ・いましめ」の意も、

その「おそれ」の意脈からきている。

 仏教精神からは「()」の字が挙げられよう。

「会」は「つどう・であう」の意。故人を(しの)んで縁者・知人が集い、

故人の(ゆい)(きょう)に出()う。そのひとが、

どんな生きざま・死にざまであろうとも、

そのまま生者にとって生きた教材、鏡だからだ。

その意味で、葬儀は「会中」、

年回法事も「○回会」、と受けとめたい。 

 2004年9月19日

(前住職)

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