「子ども叱るな来た道・・・・」(73)

浄土真宗 大谷派の門徒である私から、「メリークリスマス!」

多様性のある日本は、本当に素晴らしい国ですね。クリスマスに改めて感じています。

さて、先週、新幹線の車両の中で、元気よく泣く赤ちゃんを連れた母親がいました。

泣きだしたら車両から出て、泣き止んだら座席に戻る、を繰り返していました。

「赤ちゃんの時の新幹線は大変だなぁ」と、昔の我が家のことを懐かしく思い出していると、子どもの泣き声に、後ろを振り返り、露骨に「チェッ!」と嫌な顔をする初老の男性がいました。

「ああ、ぁ あなたも『来た道』なのに、とても残念だなぁ」と感じてしまいました。

『子ども叱るな、来た道じゃ 年寄り笑うな 行く道じゃ』ということわざがあります。

新幹線の中で、このことわざを改めて考えていました。

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【子ども叱るな、来た道じゃ】とは、どんな意味でしょうか。

子どもはよく泣きますし、多くの失敗もします。それは、

子どもだからです。

しかもそれを隠そうと、すぐばれるようなウソをつきます。

子どものウソを大人は見抜きますので、常に、大人は叱る役、子どもは叱られ役です。

ついつい大人は叱りがちになってしまいますが、

「あまり叱るな、お前も通った道じゃないか、 いや、もっとひどかったじゃないか」ということ。

「年寄り笑うな 行く道じゃ」とは

年寄りはすぐ物忘れするし、込んでいる道をもたもた歩いて、周りをイライラさせます。

認知症にでもなろうものなら、みんなから笑われたり、嫌がられたりして、

「ああはなりたくないなぁ」「情けないものだなぁ」と思いますが、

【行く道じゃ】

自分の行く先でないか、ということ。

まちがいない、確実な行く先です。

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私も、『来た道』を振り返りながら、

もうすでに、片足を突っ込んでる、笑われる『行く道』を、

受け入れながら歩いていきたいと思っています。

(西恩寺門徒 熊田光男さん)

 

 

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