(熊田光男さん 社員さんへのメッセージ 2015年12月17日)
社員の皆様へ
先日、息子と二人で、スペイン料理屋に行きました。
大学時代に、スペイン料理屋で、「厨房」と「ホール」の
アルバイトをしていましたので、一つひとつの料理を
自慢げに紹介しながら、30年前の自分を思い出していました。
「厨房」の中にいると、「料理を作ること」が目的となってしまい、
機械的に、目の前の食材を「処理」するだけになってしまうんですよね。
しかし、「ホール」にでると、
自分が仕込んだ人参サラダを、美味しそうに頬張るお客さんをみて、
「よっしゃ、頑張ろ!」って気にさせてもらえます。
「仕事の感動」って、自分の仕事の先に、
喜んでいる人が見えることなんでしょうね。
専業農家の主婦・野田文子さんは、
四国の愛媛県内子町にある「内子フレッシュパークからり」に
直接納品することによって、仕事の感動を知ったそうです。
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うちは椎茸。それも規格外の大きな椎茸を袋に3つ入れて、
200円で出したんよ。そうしたら、それを見たお客さんがぶったまげて、
「何ですかこれは!」って言ったの。
いまは、スーパーに行くとサイズの揃ったものが、
パックに包装して売られているでしょう。
それしか見たことがない人にとっては、
椎茸が、こんなに大きくなることを知らないわけですよ。
だからお客さんに、
「これは椎茸なんですよ。
山で大きくなって農協の規格に入らないから、こうやって出したんです。
網であぶって、ポン酢をつけて食べたらおいしいよ」って説明したんです。
そうしたら、そのお客さんが買ってくれてね。
目の前で、椎茸が売れていく光景を見ていた時に、
「あぁこれなんじゃ、農業はこれじゃなきゃいけん」って感動が走った。
それまで、自分たちがつくった農作物は、
農協さんに決められた個数ごとに合わせてパックに箱詰めしたら、
あとは、出荷するだけで、何の自由も利かない。
それに、どんなに精魂込めてつくっても、
それが、どこのスーパーで一体幾らで売られているかも分からない。
もうとにかく不満だらけだったけど、そんなことは全部吹き飛んだ。
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私たちの、この仕事の先に、
人の喜びを見つけ出したら、仕事に『魂』が入りますね!