向き合う(事実に立つ)

熊田光男さんメール(2015/09/04)

社員の皆様へ

サッカー日本代表は、9名がゴール前に並ぶカンボジアに、

なんとか勝利できましたね…

W杯予選以外にも、目の不自由な方が、音が鳴るサッカーボールを蹴りあう、

ブランインドサッカーのアジア選手権が開幕しました。

ランキング9位の日本は、5位の今大会最強である中国に、

惜しくも敗れてしまいました。

それにしても、音とコーチの声だけを頼りにしたサッカーですが、

選手同士の当たりも激しく、そのプレーは、見るものを虜にしてしまいますね。

最近、老眼が酷くなった程度で嘆いている私にとって、

全盲の方の苦しみは、想像を絶するものと思います…

盲ろう者として、初めて大学教授となられた、福島智氏。

9歳で失明し18歳で聴力までも失いながら、

福島氏は、苦悩という「しんどいこと」と、

しっかり付き合ってこられたようです。

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苦悩というのは、確かに、しんどいことです。

だけど人生では、いくら避けようと思っても

しんどい経験は、やってくる。

だったら、そのしんどさを受け止めて、

その、しんどいことにも、何か意味があるんだろう、と思うことが、

たぶん、力になっていくんだろうと思います。

しんどいことを、しんどくないと、いうふうに誤魔化すのではなくて、

しんどいことは、しんどいこと、として受け止める。

そして、しんどさとともに、生きることで、

それが、肥やしになったり、豊かさになったり、

強さになっていったりするんだろう、と思うんです。

また、しんどさを、しっかり受け止めた人は、

他人が抱えている、しんどさについても

敏感になると思います。

もちろん、すべてが順調なら、それは、それでいいんですが、

そういう人生を歩んできた人は、他人が抱えているしんどさに

鈍感になってしまうんじゃないかと思います。

そして、その人自身の人生も、厚みのないものになる可能性が

あるんじゃないか、という気がしますね。

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私も、自ら進んで「苦悩」を受けようとは思っていません。

しかし、避けられずに出会った「苦悩」と、どのように付き合うか、

大きなヒントをもらった気がします。

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