妻への感謝の言葉

七回会法要の挨拶

昭和38年に結婚し46年間、苦楽を共に頑張ってきましたが、悲しい日を迎えました。私の身の回りのお世話と家庭を守っていただき感謝しています。あなたには、働いてもらったり、内職をしてもらったり、大変ご苦労をかけ、助けていただきました。楽しいことが少ない中で、つらいおもいをしてたのでしょう。

子どもが生まれ、素直な子に育てていただき、うれしく思っています。その子どもも2人ずつ子が生まれ元気で、あなたも生前よく遊んであげたと思います。○○君は足が悪いので、「かわいそう」と毎日、悲しんでいました。しかし彼はいま、元気でしっかりやっています。希望する大学に合格して頑張っています。あなたが生きていれば大変、喜んだと思います。

また、あなたの協力があったおかげで、立派な家を持つことができました。有り難かったです。これはあなたが家庭を守り協力してくれたおかげです。大変感謝しています。あなたがいなかったら、この家はできませんでした。この家には8年住んだだけで、亡くなってしまいましたね。もっともっと、長生きして住んで欲しかったです。一言いったことが、印象に残っています。「ここで寝ていると、旅館で泊まっているようです」と。喜んでいてくれたと思っています。

 

なぜ、朝は元気だったのに、夕方に突然亡くなったのか。何があったのか、いまだに分からない。働くと言って、毎日勤めに出ていたことが、身体を少しずつ、悪くしていった原因ではないか。私があなたの身体のことを気づいて、早く仕事を辞めるように言えばよかったのか。そうすれば、こんなことにはならなかったのではないかと責任を感じています。68歳で亡くなるのは、夫の気遣いが足らなかったのではないかと思います。

定年をして、次の職場になっても冬の寒い朝でも、早起きをして身の回りをお世話していただきました。そのおかげで、元気に働けました。宿直の日は、あなた一人で留守番でしたから不安だったでしょう。ゴメンね。

あなたは、地域の方々ともよくお付き合いしていたと思います。それだからこそ、100人を超える方々に告別式もお参りいただき、お見送りいただいたことです。

 

生前はたくさん家庭のこと、私のことをお世話していただいたことが一番、浮かんできます。いまも、「ありがとう」と言ってお参りをしています。

楽しいことが少ない中で、大変ご苦労をかけました。私が小言をいったり、時には喧嘩もありましたが、46年間家庭を守ってくれました。私には、あまり小言を言わず、よくついてきてくれました。あなたは悲しい思いが多々あったのではないか、と振り返って考えることが多くあります。

「あなたは私のことをどのように思っていたのですか?」

 

決してよい夫ではなかったと思っています。

あなたがいない今、先の目的、楽しみも無くなり、これからは、「あなた」の、生前のお世話に対し、感謝と恩返しに生きたいと思います。お参り、供養を中心に生きていきます。

最後に、ふとあなたとの生活を思い浮かべると身の引き締まる気持ちになります。あなたが亡くなって2年が過ぎましたが、いまだ一緒に生活しているような幻想になります。

妻○○さん、大変お世話になり、ありがとうございました。(以上)

 

ご主人は昭和10年生まれ。お連れ合いは昭和16年生まれの方です。このお連れ合いへの感謝の言葉は3回会が終わってしばらくして書かれたそうです。自分の気持ちを書き留めておられたようです。今回の7回会法要の時に、お連れ合いの兄弟姉妹、子どもさんたちに向かって始めて披露されました。丸6年たっても変わらない「想い」であることを語られました。

 

 

 

 

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