〈社員さんへのメッセージ⑩〉

(2013/01/09のメールを転写します。住職)

 

社員の皆様へ

年末年始に、帰省して、久しぶりに両親にお会いした方もいらっしゃると思います。

そんな皆さんに、あたたかいお話を届けます。

これは、諏訪中央病院名誉院長、鎌田實さんの話です。

胃がんの末期がんで、余命3か月を診断した、ある40代の母親の話でそうです。

その方は、2人のお子さんの卒業式を見たいという理由から、

苦しい体に鞭を打って、毎日、お弁当をつくって、その日まで頑張ったそうです。

余命3か月と診断されましたが、なんと、1年8か月も命を延ばすことができたとのことでした。

そして、最後を迎えるときの、最高の「母の愛」です。

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僕たち医師は、子供のために生きたい、と言っている彼女の気持ちを大事にしようと思い、彼女の体調が、少しよくなると、外出許可を出していました。

「母は家に帰ってくるたびに、私たちに、お弁当を作ってくれました」
と娘さんは言いました。
彼女が、最後の最後に家へ帰った時、もう、その時は立つこともできない状態です。
病院の皆が、引き留めたんだけど、どうしても行きたいと。

そこで僕は、

「じゃあ家に布団を敷いて、家の空気だけ吸ったら戻っていらっしゃい」

と言って送り出しました。ところがその日、彼女は家で台所に立ちました。

立てるはずのない者が、最後の力を振り絞って、お弁当を作るんですよ。

その時のことを、娘さんはこのように話してくれました。
「お母さんが、最後に作ってくれたお弁当は、おむすびでした。

そのおむすびを持って、学校に行きました。

久しぶりのお弁当が嬉しくて、嬉しくて。

昼の時間になって、お弁当を広げて食べようと思ったら、

切なくて、切なくて、なかなか手に取ることができませんでした」

 

お母さんの人生は40年ちょっと、とても短い命でした。
でも、命は長さじゃないんですね。

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ご家族を大切に!

(熊田光男)

死を「忘れる」と生(活)は、浮く

死を「畏れる」と生(活)は、沈む

死と「向き合う」と生(活)は、輝く

(住職記)

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