「お盆」の意味

七月十五日 僧()()の日に 百味を盆に盛り

仏僧に()()  

                    『盂蘭盆経』取意

 

 お「盆」は古代インドのサンスクリット語・ウランバナに相当する音訳「盂蘭盆」の略で、「倒懸」と漢訳され、「さかさ()り」を意味する。

 ブッダの弟子・目連(もくれん)の救母説話によるが、それは餓鬼の世界に()ちて苦しんでいる亡母を、ブッダの教えに(したが)って七月十五日(旧暦)僧達の「自恣の日」(懺悔(ざんげ)告白の日)に食物などを布施して救うことができたという。

 ここで見落としてならぬ一点は、それが“懺悔告白の日„であったことだ。何よりも目連自身の問題であったことを意味する。つまり自分の“さかさま„に気づいたことでないか。亡母を餓鬼と見た自分が餓鬼であった―この罪の懺悔の一念に、母子共に救われたのだ。

お盆は自らのさかさまに気づく日!

2003年6月29日

(前住職)

  

 

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