あなたが人生に絶望しても
人生はあなたに絶望しない
ヴィクトール・E・フランクル
これは彼がアウシュヴィッツの収容所で、一人の男性からの質問に答えたことばだった。
「もう人生に期待するものは何もない。待っている人も誰もいない。このままナチスに殺されるよりも、いっそ自決したほうがよいのでは?」との訴えだ。苛酷なまでに追いつめられた状況の中で、むしろまともな発問とさえ言われよう。
だがフランクルは、もうこんな人生なんてと投げだしたくなるときも、またどんな状況の場合にも、必ず人生には意味がある、苦しみこそ人生の至宝なのだ、と言い続けた。それは「生きる意味とか、価値とかは、精神論でなく、存在そのものにあることだ」と主張したマックス・シェーラーの影響といわれる。
2001年9月23日