「社員の皆様へ」メール(65)「他力」

熊田光男さんメール(2020/09/11)

社員の皆様へ

 「自分で自分の心臓を動かしてるなんて思うなよ!」

 血気盛んな若かりし頃、傲慢な私に投げかけられた言葉を、今でも覚えています。

 このコロナ禍において、特に、この言葉の意味を深く感じています。

 誰でも、様々な願いを持ち、その願いに従って生きています。

 しかし、現実に、その願いを実現することは、そんなに多くはありません。

 自分が、どれだけ頑張っても、どれだけ願っても、

 見えない力が、嘲笑うかのように、全てを踏みにじっていきます。

 「他力」

 一般的には、「自力」に対する対義語は、当たり前ですが「他力」です。

 でも、「自力」そのものが、「傲慢な己の願い」と読み替えると、

 「他力」には、違う意味が浮き上がってくるような気がしています。

 金子みすゞの詩「蓮(はす)と鶏(とり)」です。

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蓮(はす)と鶏(とり)

 泥のなかから

 蓮(はす)が 咲く。

 それを するのは

 蓮(はす) じゃない。

 卵のなかから

 鶏(とり)が でる。

 それを するのは

 鶏(とり) じゃない。

 それに 私は

 気がついた。 

 それも

私のせい じゃない。

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コロナ禍の中で生きる今だからこそ、

 「他力」のことを、少しだけ考えるのも、

 いいかもしれませんね…

 

 

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