「社員の皆様へ」メール(56)

2018年4月6日 熊田光男さんの「メール」転写

社員の皆様へ

「マニュアル」というものは、様々な事柄の基準を合わせるには重要な仕組みです。

しかし、行き過ぎた「マニュアル化」は、大切なことを忘れさせてしまいます。

先日、重要な顧客を接待するために、とある料亭の予約をしようと思いました。

高齢の顧客が3名いるため、あまり量が食べられないので、

コースの金額を維持しながら、料理の質を上げて、

品数を少なくしてもらうことを頼みました。

すると、店員さんは、少し困った声で、

「お品書きの関係もありますので…」と、言ったので、

「いいですよ、お品書きは、そのままでも」と答えました。

すると、店員さんが、「では、お客様はアレルギーをお持ちでしょうか。」との質問。

私は、「えっ、予約のときに、私が顧客全員にアレルギーの有無を確認するのですか?

どこの店でも、当日に対応しますけど。」と言うと、

店員さんは、「お品書きに書かなければいけないので…」とのこと、、、、

私は、「お品書きを食べに行くわけじゃないから、もう結構!」と電話を切りました。

先日、大相撲春巡業の最中、土俵の上で倒れた舞鶴市長に緊急処置を施した女性に、

土俵の女人禁制を理由に、

「女性は降りてください」とアナウンスされたことが、ニュースになっていました。

相撲道を大切にすることと、目の前で人の命が危険になっていることとでは、

事の重さが全く異なります。

行き過ぎたマニュアル化は、人から『考える』ことを奪い、

大切なものを失っていることを、これらの事例から感じなければならないと思います。

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買出しを頼まれた「1人の男性」が、

あるファーストフードのハンバーガーショップに行きました。

店には、その男性が1人だけです。

男性:「ハンバーガー40個ください。」

店員:「かしこまりました、ハンバーガー40個ですね。

店内でお召し上がりになりますか?」

男性:「…テイクアウトで…」

(40個、1人で食べられないだろうが…)

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冗談のような話ですね。

ディズニーランドでは、マニュアルはなく、「SCSE」という行動基準しかありません。

Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)

これを元に、様々なケースを、スタッフが話し合いながら顧客の満足を追及します。

ここまでは難しくても、『大切なもの』を見失わない、

マニュアル運営をしていきたいですね!

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