熊田光男さん
2018年1月31日メール
社員の皆様へ
昨日は、衝撃的なニュースを耳にして、この日本が歩んできた姿に、幻滅しました…
それは、幼い頃の麻酔治療の後遺症によって、知的障害が残った女性が、
15歳の時に、本人の意思とは別に、強制的に不妊治療を受けさせられ、
人間としての基本的人権を踏みにじられたという、衝撃の裁判のニュースです。
こんな耳を疑う暴挙の法的根拠となっているのは、
遺伝と障害を関係づけ、「不良な子孫の出生防止」を目的とした、
当時の「優生保護法」という法律だそうで、障がい者の遺伝子を後世に残さないという、
文字にするだけでも、おぞましく手が震えるような、とんでもない悪法です。
かつての日本が、こんなことをしていたなんて… 正直、本当にショックでした!!!
こんな法律は、担当弁護士が言うとおり、
ナチスドイツが、優秀な遺伝子のみを残そうとする、「優生思想」と全く同じであり、
私たちには、「アウシュビッツ」を批判する資格など、ありません!
こんな法律が、平成8年まで放置されていたなんて、
当時の与野党の政治家、日弁連など、いったい何をしていたんでしょうか!
私は、日本は世界に誇れる包容力のある民族であると思っていましたが、
歴史に隠された影を、もっと知る必要があると感じました…
金子みすゞの詩、<わたしと 小鳥と すずと>が、心にチクりと刺さります。
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わたしが 両手を ひろげても、
お空は ちっとも とべないが、
とべる 小鳥は わたしのように、
地面(じべた)を はやくは 走れない。
わたしが からだを ゆすっても、
きれいな音は でないけど、
あの 鳴るすずは わたしのように
たくさんのうたは 知らないよ。
すずと、小鳥と、それから わたし、
みんなちがって、
みんないい。
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「みんなちがって、みんないい」
この寛容性、いや、人としての当たり前の心を、
一人の国民として、私は、後世に繋げていく責任を感じています!