「社員の皆様へ」メール(57)

熊田光男さん

2018年1月31日メール

社員の皆様へ

昨日は、衝撃的なニュースを耳にして、この日本が歩んできた姿に、幻滅しました…

それは、幼い頃の麻酔治療の後遺症によって、知的障害が残った女性が、

15歳の時に、本人の意思とは別に、強制的に不妊治療を受けさせられ、

人間としての基本的人権を踏みにじられたという、衝撃の裁判のニュースです。

こんな耳を疑う暴挙の法的根拠となっているのは、

遺伝と障害を関係づけ、「不良な子孫の出生防止」を目的とした、

当時の「優生保護法」という法律だそうで、障がい者の遺伝子を後世に残さないという、

文字にするだけでも、おぞましく手が震えるような、とんでもない悪法です。

かつての日本が、こんなことをしていたなんて… 正直、本当にショックでした!!!

こんな法律は、担当弁護士が言うとおり、

ナチスドイツが、優秀な遺伝子のみを残そうとする、「優生思想」と全く同じであり、

私たちには、「アウシュビッツ」を批判する資格など、ありません!

こんな法律が、平成8年まで放置されていたなんて、

当時の与野党の政治家、日弁連など、いったい何をしていたんでしょうか!

私は、日本は世界に誇れる包容力のある民族であると思っていましたが、

歴史に隠された影を、もっと知る必要があると感じました…

金子みすゞの詩、<わたしと 小鳥と すずと>が、心にチクりと刺さります。

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わたしが 両手を ひろげても、

お空は ちっとも とべないが、

とべる 小鳥は わたしのように、

地面(じべた)を はやくは 走れない。

わたしが からだを ゆすっても、

きれいな音は でないけど、

あの 鳴るすずは わたしのように

たくさんのうたは 知らないよ。

すずと、小鳥と、それから わたし、

みんなちがって、

みんないい。

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「みんなちがって、みんないい」

この寛容性、いや、人としての当たり前の心を、

一人の国民として、私は、後世に繋げていく責任を感じています!

 

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