「ありがとう」が言えない私

(熊田光男さん社員さんへのメッセージ転写 2015/05/18)

石川県の特別支援学校の先生で、

「たんぽぽの仲間たち」の著者、山元加津子さんの話しです。

かつて、「MS,別名多発性硬化症」という病と闘う、

雪絵ちゃんと女の子がいたそうです。

この病とは、熱が出ると、目が見えなくなったり、

手や足が動かしにくくなり、

熱が出るたび、病状が悪化していくという難病だそうです。

そんな雪絵ちゃんが書いた詩は、私たちに、

「ありがとう」の本当の意味を教えてくれています。

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「ありがとう」

ありがとう、

私決めていることがあるの。

この目が物をうつさなくなったら目に、

そしてこの足が動かなくなったら、足に

「ありがとう」って言おうって決めているの。

今まで見えにくい目が一生懸命見よう、見ようとしてくれて、

私を喜ばせてくれたんだもん。

いっぱいいろんな物素敵な物見せてくれた。

夜の道も暗いのにがんばってくれた。

足もそう。

私のために信じられないほど歩いてくれた。

一緒にいっぱいいろんなところへ行った。

私を一日でも長く、喜ばせようとして目も足もがんばってくれた。

なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき

「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。

今まで弱い弱い目、足がどれだけ私を強く強くしてくれたか。

だからちゃんと「ありがとう」って言うの。

大好きな目、足だからこんなに弱いけど大好きだから

「ありがとう。もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。

たぶんだれよりもうーんと疲れていると思うので……。

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年を重ねるたびに、

老眼だの、腰痛だの、文句ばっかり言っている私…

「ありがとう」って、

こういうことなんでしょうね…

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