〈社員さんへのメッセージ⑯〉

(2013年7月4日のメールを転写します  住職)

 

社員の皆様へ

エジプト政権が、軍を巻き込み反政府と対立し、緊張が高まっています。

某知事が、

「イスラム教徒は戦争ばかりしている」と、暴言を吐きましたが、

今回のような、旧態依然のイスラム教と、民主主義的なイスラム教との対立は、

世界に、イスラム教そのものの誤解を与えているように思います。

今年は、7月9日から、「ラマダン」という断食に入るそうです。

断食と言っても、1か月飲み食いしない訳では、勿論なく、

日が昇るときから、日が沈むまで、断食を行い、

夜は、暴飲暴食するそうです。

「ラマダン」と聞くと、どうしても、

「この時期は、戦争はないのか・・・」というイメージになってしまいます。

でも、「断食」には、深い意味があるようです。

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断食は、人に忍耐と寛大な心を教えます。

断食の間、彼は空腹等の欠乏の苦痛に見舞われます。

しかし、それを耐え忍びます。

ある人は、このような苦しみを何日も味わっています。

またある人は何週間も、もしかすると何ヵ月も味わっています。

断食をすることによって、

他人の苦痛が、どれほどのものかが分かってきます。

このことを、社会的、人道的な観点からすると、

断食を経験した人は、自分の仲間がどんな苦しみを味わっていて、

どんなものが必要なのか

誰よりも早く察知することが

出来るようになるという意味があります。

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日中の断食を終えて、

夜に、飲み干す水、胃の中に滴り落ちる食物は、

最高に美味しいそうです。

断食により、空腹や痛みに苦しむ人の心を知り、

食べ物をいただくことが出来る、有難さを感じる・・・

イスラム教も、キリスト教も、仏教も、ヒンズー教も、全ての宗教が、

互いを知り、尊重できさえすれば、平和な世界が訪れるのに、

残念ですね・・・

(熊田光男)

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