〈社員さんへのメーッセージ①〉             

今回、強引に、「門徒の声」に投稿をお願いしました。

書いてくださっているのは、熊田光男さん。昨年6月に父親様の創設した会社の社長を継いでいます。お役目をいただかれてから、毎日、社員の皆さまにメールを送っておられます。「今度、社長になった人間が、どういう者なのか。どんなビジョンを描いているのか。この会社は何を願いとし、何を大切にして商売をしているか」等、を知っていただきたいという願いから、様々な視点をもって、発信されています。(時事問題 ・家庭問題 ・生き方 ・仏教 ・親鸞 ・仕事など)

実は、私(住職)のところにも、こっそり転送してもらって、読ませていただいています。結構、楽しみにしています。今回のメールは、2012年3月30日付けのメールです。ご本人の許可を得て、転写します。今後もメールを載せさせていただこうと思います。  (住職記)

↓↓↓↓↓↓↓↓

毎年3月末日は、年度の締めとして人事が大きく動きます。わが社の取引先においても、退職される方、異動される方があり、どうしてもわが社中心に考えてしまうので、わが社にとって「良かった人」、「悪かった人」の異動に、一喜一憂してしまいます。「ご縁は大切にしましょう!」と言っていながら、常に自己中心的な判断基準によって、この「ご縁」は、“良いご縁”と“悪いご縁”に分類してしまいますね・・・(笑) いつも、いつも、言っていることと、やっていること、って違ってしまいますね・・・年度末は、様々な区切りの日です!今一度、自分を振り返ってみましょう!!

とんちで有名な一休さんと親交の厚かったお坊さんに蓮如さんがいます。
ある時、松の木を眺めていた一休さんが、お弟子に向かって、
「たいそう枝振りの良い松だが、あの曲がった幹や枝を真っ直ぐに見ることができるか?」と尋ねました。
そのお弟子は体をひねったり、首を曲げたりして松を見ますが、どうしても松の木を真っ直ぐに見ることができません。一休さんはお弟子に向かって「松の木を真っ直ぐに見る方法を知ってる者が一人いる。蓮如だ。蓮如にその方法を尋ねておいで」とお弟子に話しました。お弟子は早速、蓮如さんを訪ね、一緒に松を見ました。

「どうすれば真っ直ぐに見られますか」と問うと蓮如さんは「よう、曲がってますね」と答えました。もう一度、問うても、答えは同じです。
合点のいかないお弟子は、帰って一休さんに事の次第を話すと、一休さんは、「さすが蓮如!」と一言話し、道理のわからないお弟子に「曲がった松を真っ直ぐに見るとは、そのまんま見るということだ」と教えてくれました。

実は、真っ直ぐな人間なんて、存在しないんですよね。その曲がった心を、真っ直ぐ見る、勇気というか、器の大きさというか、そこが大切なんでしょうね!

「人の悪いことは、良く見えるものなり。
己の悪いことは、良く覚えざるものなり。」 ~蓮如上人~

(熊田光男)

 

This entry was posted in 門徒の声. Bookmark the permalink.