仏に従いて 本国に還る
浄土の祖師・善導
暁烏敏は「死」について、
「自分が死ぬことを計算に入れないような人生観は、とても信用できない」喝破した。
近年ことに多発する犯罪や事故、癌などによる死が連日のように報道される。
その都度マスコミはこぞって「天国へ行く」という。
だが、「天国」とは曖昧な言葉だ。おそらくキリスト教からは、「天に在す父なる神の国」となり、仏教からは人間の欲楽境、「天上界」となる。
では、いずれが、などの論ではない。
それにつけても強くひかれるのは、「本国」の言葉だ。
この現実を「他郷」と批判し相対化する原理として、真に人間存在の根っこ、故郷を表す言葉だがらだ。曖昧な「天国」の語に簡んで、「本国」の言葉を提出したい。 一提言。
2003年3月9日