この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によって、
これを保持しなければならい。(下略)
『日本国憲法』第一二条
近代の立憲政治は国家権力の暴走を防ぐことにある。
その意味で国民が国家に対してもつ「個人的公権」(自由権など)に
関する規定は、国家権力が侵してならぬ結界である。
中でも信教の自由は、人格にとって生きかたの決断にかかわることだけに、
「政教分離に冷淡であり無関心であることは、
人権を守り民主々義を守る熱意を欠くことになる」
(宮沢俊義『憲法講話』)との指摘は、心に刻みたい。
一宗教施設への首相の公式参拝は違憲とする判決も、
追悼の否定にすりかえて正当化するに至っては、
もはや何をか言わんやである。
戌歳に因んで、今年は憲法の番犬でありたい。
憲法に現実を合わせる立憲政治。
現実に憲法をあわせる無憲政治。
2006年1月22日
(前住職)