2月15日は

仏に帰依せば (つい)にまた 

その余の諸天神に帰依せざれ

                        『涅槃経(ねはんぎょう)

 

2月15日は仏教の開祖・釈迦の入滅の日と伝える。「死」を「入滅」、

涅槃に入ること、と説くところに、仏教の「死生観」があらわれている。

 「涅槃」は原語サンスクリットのニルバァーナで、「吹き消すこと」

または「吹き消した状態」といい、煩悩の火が消滅して

智慧(ちえ)が完成した「さとり」をあらわすとされる。

 それは涅槃がわたしたちにとって、

「生」の「完全燃焼」を意味することによって、

(かえ)って現在の生きかたを問いかえす「光」と説く。

 その意味で標記の一節からわたしたちは、

いかに似而非(えせ)ものに呪縛(じゅばく)され不完全燃焼の生きかたをしていることか。

幽霊他人(ひと)ごとではない。

愚痴る、残念(念が残る)、みんな幽霊の象徴だ。

2005年2月13日

前住職

 

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