「答えは問いの中にしかない」

結論が出なくても深く思索したその過程の方が、

よほど大切である。

                 『全国青少年読書感想文』

 これは標記のコンクールに高校の部で入賞した

安藤久恵さんという女性徒のことば。

池田晶子著『14歳からの哲学─考えるための教科書』を

読んでの感想で、とても大切な一点が学びとられている。

 わたしたちは万事につけて “答え„ を、しかも性急に。

だからすべてが対症療法的発想に終始する。

答えはたとえそれが正解であったとしても、

こちらに “問い„ が成熟していなければ、

答えが答えのはたらきをなさない。

「答えは問いの中にしかない」、この至言に立つとき、

もはや“どうしたら„の答えでなく、

“なぜか„の問いを持ち続けることこそ大切なのだ。

 川柳に「テロ無くすための戦争 テロを生み」と。

ならば、いまこそ“なぜテロか„を自問すべきときではないか。 

2004年5月30日

[前住職]

                      

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