中日新聞 〈人生のページ〉 ㉑

こんにちは 赤ちゃん わたしがママよ

                        永 六輔

宗教性を喪失した現代人は、子どもをつくる、つくらぬという。

もはや、あの遺伝子とこの遺伝子を使って、もっといい子どもをつくろう、

などという声さえ聞こえてくる。

宗教を欠落した科学主義はおぞましい。科学が発達した分、

より正しく、より深く、宗教性を身につけねばならぬからだ。

レバノンの詩人のことばだという。

とても感銘した。

 

「あなたの子どもは、あなたのこどもではない。

待ちこがれたいのちの息子であり、娘である。

あなたを経てきたが、あなたからきたのではない。

あなたと共にいるが、あなたに属してはいない」

 

 

いのちはつくれない

いのちはいのちから生まれる

そのお手伝いをする科学

お手伝いもいのちのうち

こんにちは・・・。

2002年5月5日

 

 

 

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