時々、私に「こんな文章を書いたので、読んでみてください」と、
お見せくださる方がおられます。
今回の文章は、真宗高田派、有志の「コーラス海」の案内に掲載された
文章です。ご本人に許可をいただいて掲載致します。(住職)
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今年(2012年)も桑名別院5日間の、暁天講座のご縁をいただくことができました。
第1日目の朝5時45分、待ち合わせて車で会場へ出発。
その道中、なにげなく私は「金子みすゞの本を探しているの?」と。
それを聞き取った同乗の法友が、
「家に、みすゞの詩集があるから持ってきてあげるわよ」と。
こんなに早く身近に反応があることに私は驚いた。
そして彼女が語り始めた。
「その本ね、数十年前に、お父さんが旅行に行った時、おみやげに
買ってきてくれたものよ」と、ちょっと誇らしげ。
私はまた、驚かされた。今、目の前で、黙って運転をしてくださる人が、
そのご主人なのだ。そして思わず言ってしまった。
「私の夫なら、絶対にそんなことありえないわ」と。
「奥さんのおみやげに・・・みすゞの詩集・・・だ、なんて」と、
言ってしまった。少し羨ましかったのだ。
そして2日目の朝、早速その本をもってきてくださった。
その本は真宗門徒の立場から書かれたもので、まさに今
私が読みたかった本であった。
数ある詩集の中から、この1冊を選ばれるなんて、そして私に
見せてくださる、このご縁を大切にしなければと思った。
このように、「今年は難行になるかな?」と思っていた5日間の暁天講座も、
法友たちのおかげで、なんの苦もなく、易しく聴聞させていただけたことが、
とても不思議です。
(佐藤さん)