親; おまえのことをどれだけ案じているか
子; 大きなお世話や!俺は自分で考えているから、ほっといてくれ。
親; でもな、そんなことでは、世の中通用しないぞ!
子; うざい! しつこい。
親; なんだ、その口のきき方は。誰のお陰で大きくなったと思っているんだ!!
子; だれが産んでくれと頼んだ!勝手に産みやがって。
親; ・・・・・・・
子; ・・・・・・・
よくある話でしょうか?
私たちは、「まず始めに、自分が単独で、それだけで存在していると思っています」。
だから、その自分を前提に他者を所有し、私有化しています。
親子という関係で言えば、親子は同時に成立し、誕生しています。
子が授かって、初めて「親」という名告りをいただく。
「子」は「親」がいなければ、存在自体ありえません。
「親」無きとき、「子」なき、「子」無きとき、「親」なし。
それが存在の道理です。
秋晴れの今日、お寺の本堂で、“初参り” 式をしました。
一般的に、赤ちゃんが誕生すると神社へお参りに行かれる方が多いですが、
お寺でもお参りをします。
こんな文章を読み、お参りすることの意味を述べました。
表白(ひょうびゃく)
本日ここに、○○さん ○○さん ご夫妻の長女 ○○さんの初参式にあたり、
仏前を荘厳し、ねんごろに経典を読み、仏恩を謝しながら、「今日」の、
いのちの深さに思いを致す。
遠き宿縁によって夫婦は結ばれ、また不思議の因縁によって、子を授かる。
「子は、親の言うようには育たず、親のしているように育つ」と、先人は教えています。親がどういう生き方をしていくのか、何を拠り所にし、どういう「物差し」をもって生きていくのか。
念仏の教え、いのちの道理に、深く学ぶ強縁を賜る。
「咲いた華、咲かせた根っこに ありがとう。」この、こころを念じつつ。
慶ばしいかな、新たに生を、この世に享けし ○○さん (・・・・年・・月・・日生)
いま、仏前に詣でて、み仏の子(如来の子)の誓いを新たにし、
真実の智慧を蒙らんとす。
希(ねが)わくは、この子 父母の愛、親族のいつくしみのもと、
健やかに、真っ直ぐに、こころ広く 成長し、
「生まれた意義と生きる喜び」を発見しつつ、「人生荘厳」の使命を果たし、
この迷いの世を 念仏申して、生き抜かんことを。
「ようこそ。 生まれて来てくれて ありがとう」。
2012年11月3日
西恩寺 住職 釈事諦
敬て白す
いのち、賜わりし子よ!
たくさんの「愛」をもらって、
おおきくな~れ!!(合掌)
真宗門徒のご縁をいただいている方々は、是非、それぞれのお寺で初参りを
お願いしたいと思います。
ちなみに結婚式もお寺の本堂で行うことができます。
形式化してきたものを、あらたに創造していく、
そんな仏事を展開していきたいと思うこの頃です。
ある先生が「仏前新車購入式」という仏事をされたと知りました。
おもしろいですね。
2012/11/04